螺旋を描いて…

螺旋 のごとく続く毎日を綴ります

鹿児島県と姶良町の思い出・2…

 

鹿児島は、縁も馴染みもない県でしたが、一つだけ、あることを“知識として”知っていました。

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桜島から「灰が降る」ことを。
 
灰と言えば、「枯れ木に花を咲かせましょう~!」ぐらいの知識。
たき火などで出る灰は、かなり大きく、そんなものがひらひらと降ってくるか、逆に石の塊のようなのが降ってきて、当たると痛い?か。
そんなのを漠然と想像してました。
 
もちろん、あまりいいイメージはなく…。
 
実際に鹿児島の地を踏むと、確かに海には桜島がどっしりとあって、ほぼ常に煙を上げていました。
 
そして不意に、「ドーン!!」
噴火が始まります。
現地では「爆発!」って、言ったかな。
キノコ雲のような巨大な噴煙が、もくもくと上空へ上がっていきます。
 
上空の煙が、横になびいているときはいいですが、向かってくるような噴煙なら、さあ大変!

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灰は粒状で、目には見えません。
でも、確実にこちらにやってきます。
 
まずは目に入る!眼鏡も回り込む!!
目は大きくは開けていられません。
 
そのうち今度は髪の毛にまとわりついて、かゆいかゆい!
ひどい年は、これが1日に1回か2回、平気で起きました。
特に1年目がひどかったんじゃないかな?
真・鹿児島の洗礼、でした。
 
でもね、晴れてれば、まだいいんですよ。
雨の時に灰が降ったら、もう始末が悪い!
衣服についた灰は、水で膨張するらしく、繊維に食い込んで、二度と取れなくなります。
だから、雨が予想される日は、洗濯物は絶対に、屋外には干せません。
 
でも、雨はともかく、どうやって降灰を予想するのか?
鹿児島ローカルのテレビ局は、天気予報の時間に、ある情報を必ず流します。
 
桜島上空の風向き情報」
画がないのが残念ですが…。
 
要は、桜島からどの方向に、どれくらいの強さで風が吹くのかを、教えてくれるのです。
 
最も大事な方向は、姶良町の場合は南風だと、降灰の影響を受けます。
でも、ごく弱ければ届きませんし、強ければ上空を通り越していきます。
桜島がある、錦江湾沿岸の住民は、自分たちに影響がある風向と風力を、みな感覚的に知っているんですよ。
 
一度灰が降ると、停めといた自転車にも、うっすらと灰が積もります。
鉄道や路面電車の架線にも積もって、火花を散らしたり。
 
道に積もった灰は、埃となって舞い上がります。
水にも熱にも、“解けません”から。
掃除しなければ、永遠に居座り続けるのです。
なので、専用の袋と、専用の捨て場所があります。

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北国では雪も厄介ですが、解けて水になりますし、雪像とかを造ったりもできますが、灰で雪像とは聞いたことがありませんね。

扱いとしては、厄介者の域を出ないです。

 

それでも、鹿児島の人にとって、灰は埃であっても、桜島は県の誇り。

多少の不便はあっても、嫌ったり文句を言ったりはしません。

 

鹿児島を舞台にした大河ドラマ篤姫」の年は、妙に桜島が大人しく、なかなか迫力のある桜島が撮れなかったとか。

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桜島は、噴煙があってこそ。

噴煙があっての、桜島なのです。

 

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