関東から来た鉄道好きの男の子が、鹿児島に来てまず目を見張るもの。
路面電車!
関東圏にはわずかしか残っていない、道路を走る鉄道です。
鹿児島で「電車」と言えばJR(国鉄)ではなく、この路面電車を指します。
もちろん鹿児島のJRにも、電車(ディーゼルとかじゃなくて)は走っていますが、伝統的に「汽車」と呼びます。
少なくとも僕の時代は、そうでした。
その当時でも、汽車(客車列車)は、ブルートレインを除けば1往復しかありませんでしたが…
運営は鹿児島市交通局。
今でこそ、新車がどんどん入って、近代的なLRT(Light Rail Transit:都市内の軽量鉄道)になっていますが…、
僕の頃は古い電車ばかり、だったんですよ。
そんなだから?、昔の写真を探したら、意外と写真を撮ってない!
当時は自分のカメラも持ってなかったし、スマホも携帯も登場前なので、仕方ないですが。
こんな感じの電車でした。
塗色はこの緑と黄色の塗色と、クリーム色に朱色のラインが入ったカラーリング。それに広告車多数。
こんな真っ赤な広告車も、ありました。
今の最新は、空撮で恐縮ですが…、
2007年登場の連接車「ユートラムⅡ」
バスよりも長い、大きな輸送力を誇ります。
車両だけでなく、設備も刷新されました。
それまでは電車のための架線を、道路脇から吊っていたので、上空はワイヤーだらけで煩わしかったんですが、今は大半で、道路の中央に架線柱を立てたので、空もスッキリ。
軌道には芝生が植えられるなど、目にも環境にも優しくなりました。
料金は均一。
分岐点の高見馬場、郡元では、他系統の電車に乗り換えて、一定区間そのまま乗れる、「乗換券」って制度もあります。
降りるときに運転士さんに言って、乗換券をもらうんですが、ICカードなら、自動で計算してくれるそうですよ。
ところで、鹿児島市内にはこんなものが、普通に存在します。
前の写真にも写ってましたが、気づきました?
「黄色い矢印」
路面電車だけ、その方向に進めるという信号です。
運転免許試験の時、習いました?よね。
ちなみに、その下には路面電車停止を意味する、赤い「×」が用意されています。
もう一つ、
「安全地帯」
要は、「道路の真ん中でも、電停の周りは人が乗り降りするから、車は入っちゃダメよー」って意味の標識です。
レンタカー等で鹿児島や、路面電車がある街へ行くときは、ご注意を。
そんな電車でしたが、僕自身は鹿児島市の隣町に住んでおり、高校はさらに隣町でしたから、毎日電車に乗ってたわけでもなく。
市内へ出たときに乗る機会があったんですが、混んでたし、乗りたいときに来るとも限らなかったので、乗らずに歩いちゃったことも、しばしば。
そうしたら電停(電車の停留所)と電停の間で、次の電車に抜かれたり…。
高校に入ってからは、駅から歩くにはちょっと…って距離以外は、あまり乗りませんでした。
多分、大人になって鹿児島を旅行したときの方が、喜々として乗ってますね。
軌道敷内は車の通行禁止。
でも、右折車が横切るから、結局、道路は共用。
交通渋滞は路面電車の宿命です。
渋滞解消を目的に、廃止になった区間もありました。
でも、ここ数年で、風向きが変わってきているように思います。
地方でも、マイカー優先一辺倒から、都市内の交通を一体で捉えるようになってきて、路面電車は人に優しいと、見直されてきてるようです。
車を運転出来ない中高生や高齢者。そして観光客。
酔っ払いも、含めた方がいい??
みんなの足として、電車は走り続けることでしょう。
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