今日の押上猫庫は…
貸切!!
イベント「スタインウェイ・サロン」
「スタインウェイ」は、アメリカ・ニューヨークのピアノメーカー。
その1959年製のピアノが、ここにあります。
何でも、「この年代ぐらいまでのピアノは、調律次第でいろんな音が出せる」そう。
その代わり、合った弾き方をしないと、
「音が出ない」そうで。
そりゃあ、音(sound)は出るんでしょうけれど、(music)な音は出ない、ってことなんでしょう。
猫庫さん特製のケーキとクッキー、飲み物が付きます。
お酒もあるのが、ここらしいかな。
曲目。
僕は音楽に関しては、素人ですが…
1曲目、サティの「ゴシック舞曲」で、衝撃を受ける!!
「響きが、一定じゃない…」
ピアノなんて、最後まで同じトーンの音が出るものだと思っていました。
しかし、このピアノの響きは、うねる!!
響きが、広がる!!
余韻まで、しっかり聴かないと、この曲はわからない、って思いました。
今までにない感覚!
なんで今まで、このことに気がつかなかったか…
明らかに、僕のピアノの聴き方を変える、曲だったのです。
グリーグの作品も、意外でしたね。
4曲目の「民謡」と、7曲目の「家路」は、聴く前のイメージとは、全く違った曲でした。
今は音楽と映像とか言葉とかを、結びつけて聴く音楽が多いけど、それでは通用しない曲も、あるんだなって思いました。
小休止。
雑談で、雰囲気は和やかに。
ピアノも難解なら、楽譜も難解。
「常識ではあり得ないような、作曲家の指示が付いていて、そのたびに衝撃を受ける!」とか。
作曲家先生の「頭の中の楽園」を、いかに楽譜で表現するか、演奏家はそれをどう解釈するか、再現するか。
人知れず、戦っているんですね。
そう言えば、僕が行った、浜松の「楽器博物館」の話も。
「弾きたいけど、弾かしてくれないんだよなぁ…」
本当は、楽器は音を出してあげないと、劣化してしまうんだそうですよ。
さて、後半。
そして、問題の「テンペスト」。
速さ、激しさ、そして余韻が連続した曲!
奏者は楽譜と、このクセのあるピアノと格闘!!
その結果…
僕も、“嵐”に翻弄された気がしました。
エネルギーを、使いましたね。
奏者も演奏しきって、水をオーダー。
奏者にも聴者にも、力を使わせる曲。
その分、得るものも大きかったと思います。
アンコールの時は、写真を撮らせてくれて。
こんな方です。
筒井一貴氏。
古典鍵盤楽器を専門に弾く方です。
そう、僕はピアノの真後ろで聴いたんです。
こんな経験、なかなかできないですよ。
音が出るので、演奏中は写真撮らなかったけど(カメラ持ってくればよかったな…)、アンコールは向き直って、奏者の指を見てました。
手を大きく広げて。
でも、そう言えば、キータッチは優しく、というか確実にされてましたね。
聞くと、最近よくある、叩くような弾き方では、このピアノは音を出してくれないんだそうです。
そもそも「暴れてもくれない」って表現が、印象的でしたね。
「楽器が、人を選ぶ」
きっと、選ばれるように、奏者は楽器と対話しながら、あれこれ弾き方を探るんでしょうね。
終了後、みんなで感想戦。
僕にはついていけないような、かなり高度な話が、飛び交っていましたよ。
先ほどの弾き方もここで出ましたが、中には曲構成にまで着目した方も。
刺激になりましたね~
次回もあるそうなんで、また是非参加したいですね。
今回は全く無知で、衝撃になりましたが、次回はまた、きっと違った聴き方になると思います。