螺旋を描いて…

螺旋 のごとく続く毎日を綴ります

鯖街道…

旅行2日目。

今回の旅のメイン、「鯖街道」を旅します。

 

若狭国から京まで、鯖などの魚介を運ぶ道だった、鯖街道

概ね、現在の国道27号→国道303号→国道367号に相当します。

 

行程は約十八里。

今だと約90km、車で3時間も走れば着く距離ですが、各所に峠がある行程は、当時は丸一日かかったそうです。

 

重い荷を背負っての峠越えは、大変な重労働。

特に冬は厳しく、落命した者もいたそうです。

しかし、その丸一日、塩で締められた鯖は、美味い具合に馴れ、冬はさらに寒さで締められて、届いた鯖は一段と旨味を増したそうです。

 

今でも、京都の料亭は届いた鯖をすぐには使わず、当時の所要時間が経つまで、鯖を寝かすんだそうですよ。

 

さて、安全運転で出発!…なんですが、実は昨夜、既に出発しておりまして。
f:id:kiha-gojusan-hyakusan:20170917230604j:image

小浜市の商店街に、こんなポータルが!

元を正せば、この道が旧道なんでしょうね。

 

道は付け替えられて、良くなった場所は、いくつかあるそうです。
f:id:kiha-gojusan-hyakusan:20170917231204j:image

「京は遠ても十八里」

実際は遠かったと思いますが、小浜の人々の心意気が、伝わってきますね。

 

なお、これにもあるように、「鯖街道」の呼称は、後世のものです。

当時は「若狭街道」と言ったそうです。

 

さて、出発します。

いくら道が良くなったとは言え、山越え峠越えには変わらず、カーブも多い山道です。

運転は慎重に、かつ、ある程度のスピードは、維持しなければなりません。

にわかドライバーには、試練の道です。

 

国道27号線から分かれ、国道303号線を進むと、最初の宿場町、熊川宿へ到着します。
f:id:kiha-gojusan-hyakusan:20170917232752j:image


若狭国、現在の若狭町にある熊川宿は、鯖街道の中継地として栄えた街です。
f:id:kiha-gojusan-hyakusan:20170917233304j:image

こんな風に、運んだんでしょうか。

 

宿場町も、残されていました。
f:id:kiha-gojusan-hyakusan:20170917233359j:image

 

手形、忘れちゃった!?
f:id:kiha-gojusan-hyakusan:20170917233517j:image

 

ここで地酒を買い…


f:id:kiha-gojusan-hyakusan:20170917233614j:image

 

へしこ!

若狭の郷土料理です。
f:id:kiha-gojusan-hyakusan:20170917233914j:image

保存食として、鯖を塩漬けにした上に糠漬けにしたものです。

宿でも出ましたが、かなり塩気が強い!

でも旨味もあって、ついついご飯が進みます。

 

義民、松木庄左衛門

命に代えて、民の暮らしを守った人です。
f:id:kiha-gojusan-hyakusan:20170917234457j:image

重税を課す領主に、税引き下げの陳情を何度も行ったため、一味もろとも捕らえられ、厳しい拷問にかけられたものの、ただ一人耐え抜いて、なおも税引き下げを求めたそうです。

領主はようやく引き下げに応じましたが、自らははりつけの刑に処せられた、との逸話が残ります。

 

さて、道は国道367号線に入ります。

国は近江に変わり、琵琶湖の西を南下していきます。

 

次の宿場・朽木宿へ到着です。
f:id:kiha-gojusan-hyakusan:20170918000011j:image

 


f:id:kiha-gojusan-hyakusan:20170918000237j:image

ここも鯖街道の宿駅として賑わった他、木材の供給地としても、大変賑わったそうです。

商品なんで写すわけにはいきませんが、道の駅には、栗や杉など本物の木を使った知育玩具や、「火の用心」の拍子木までありましたよ。

 

さて、今回の旅を発案した父が、「鯖街道で焼き鯖を食べたい!」らしい!

焼き鯖とはいかないけど、鯖寿司と焼き鯖寿司なら!

 
f:id:kiha-gojusan-hyakusan:20170918001024j:image

「栃生梅竹」

たまたま見つけて入ったのに、店内にあった来店者ノートには、リピーター多数!!

これは、期待出来る♪

 

運ばれてきましたよ。
f:id:kiha-gojusan-hyakusan:20170918001412j:image

 

これは美味い!

脂が乗ってましたね~♪

鯖寿司の旨味もよし、焼いた鯖の香ばしい身もよし!

鯖寿司、焼き鯖寿司、甲乙つけがたし!!でした~!

 

お昼も食べたし、さぁ京都へ一直線!って行きたいところですが、にわかドライバーに京都市内の運転は難しかろう、ということで、途中で国道477号線に入って、滋賀の堅田へ逃げました。

 

あっ、本当に「途中」という地名で、かつては途中町があったんですよ。

延暦寺の偉いお坊様「相応和尚」が、自らが開山した2つのお寺の、ちょうど中間に当たるこの地を、「途中村」と命名したそうです。

当地から京都府に入る峠「途中越」は、京都への最後の難関だったそうです。

 

ここから左折して、琵琶湖方面に向かう道路は、整備された、広い道です。

ちなみに、右折すると京都を経て、最終的には大阪府池田市まで行けますが…

 

有名な“酷道区間だそうです…

 

僕らの終点は、「トヨタレンタリース 堅田駅前店」
f:id:kiha-gojusan-hyakusan:20170918004950j:image

 

お疲れ様でした~!

乗務完了です。


f:id:kiha-gojusan-hyakusan:20170918005021j:image

 

(追記)

翌日は京都で、上賀茂神社下鴨神社を。

出町柳へ向かう道で、出町橋を渡ると…
f:id:kiha-gojusan-hyakusan:20170918125036j:image

鯖街道口。

そう、ここが「鯖街道」の、事実上の終点です。

昔の人は丸一日、今はトラックで数時間の道のり。

僕らは1日目夜の起点から、約38時間かけて、ここに到達したわけです。

 

…鯖の塩加減、馴れすぎかな?

でもここに、鯖街道の旅が、真に完結したわけです。

 

お疲れ様でした~!