最近、この作品を見る機会があって。
「スロウスタート」
中学浪人を経て、遠くの新しい高校へ「1年遅れ」で入学した、主人公・一之瀬花名ちゃんの、成長物語です。
あっ、ネタバレ含まれますね。
見てない人は、ご注意下さい。
さて…
この作品はもちろん、埼玉のCさんの紹介なんですけど、もう一人。
新潟のSさんが、熱烈なファンで。
2人の協力の下、映像を入手でき、最後まで見ることができました。
ありがとうございます。
高校の入学式。
クラスメートは中学で一緒だったり、小学で一緒だったり。
誰かは知り合いがいる状態。
一方、主人公の花名ちゃんは、大きな秘密を抱えている上、誰も知ってる人がいない!
教室にさえ、もじもじして入れない花名ちゃん…
この状況…
まさに、「転校生」です。
実は僕、転校を2回経験しています。
そう、似たような状況を、体験しているんです。
しかも、自己紹介は、一番目!
僕は最後の方で、ネタを取られて嫌な時間を過ごすのが常でしたが、初っぱなってのは辛いなぁ…。
その日がなんと誕生日!だったことで、きっかけを捉えてくれた「たまちゃん」のおかげで、花名ちゃんは何とか、たまちゃんのグループの一員に。
エーコの発案で、桜も見に行けて…
その夜、これまでになく楽しそうな花名ちゃんに、「友達できたの?」って見抜く、管理人兼親代わりの志温ちゃん。
両親に報告もできて…。
「よかったね~」って、思いましたよ。
心からね。
そう、学校で友達ができれば、一日の大半を過ごす学校で、何とかやっていける。
「転校の第一段階クリア!」なんです。
学校で、話せる人が誰もいないってのは、惨めですよ…。
だから、本当によかった!
これでようやく、花名ちゃんの高校生活が始まるのです。
その後、花名ちゃんはゆっくり、友達との友情を育んでいきます。
スポーツテストでは散々、だったけどね。
徐々に、個別の関係も、結べていきました。
同じく、不慮の事故で浪人生となった、同志とも言える万年(はんねん)さんには、秘密を明かし、お互いの苦労を分かち合うこともできました。
後にはクラスの他の子とも、言葉を交わせるようになり。
自分から「おはよう!」とも言え、笑顔で「おはよう!」って返してもらいましたね。
こうして、花名ちゃんはクラスに、確固とした居場所を作ることができたのです。
そうなってくると、もう一つの目標。
「自らの秘密を明かすこと」
正確には、
「自らの秘密を知った上で、みんなに付き合ってもらうこと」
花名ちゃんは、
「隠し事はいけないこと。明かさなきゃいけないこと」だと思っていました。
「隠し事をしているのに、仲良くしてもらっているのは辛い」とも、思っていたでしょう。
そんな花名ちゃんを、担任の榎並先生が、解きほぐしていきます。
この先生、クールで不良っぽい!?けど、見てるところはちゃんと見てますね~
いい仕事、してます。
結果、花名ちゃんは…
お祭りの時、神社にお願いしなかったんです。
それまでの花名ちゃんだったら、「秘密を明かせるように」お願いしたはずです。
「秘密を明かしても、みんなが仲良くしてくれますように」なんて、お願いしたでしょう。
もちろん、たまちゃんにお願い内容を聞かれても、「秘密」だったでしょう。
それどころか、
「神様にお礼したの!」
「新しい高校で、みんなと友達になれて、毎日が楽しいから!」
そう、この時の花名ちゃんは、もう十分、幸せのきっぷを持っていた。
花名ちゃん、いっぱい頑張って、みんなの手助けも借りて、幸せの軌道に乗っていたのです。
本来、秘密を明かすのは、
「自分をさらけ出すことで、周囲に理解を求め、親しみを持ってもらう」ためです。
でも、もう十分みんなと仲良くなった花名ちゃんは、「絶対、秘密を話さなければいけない!」という状況では、なくなっていたのです。
だから、最後の一言でも、秘密は「いつか明かせるといいな…」になっています。
そう、もう「マスト」ではないのです。
むしろ「私の幸せは、これから始まる」に、力点が置かれています。
花名ちゃん、秘密の呪縛から、解き放たれていたんですね。
本当に、よかったです。
実は僕、これも同じような体験をしています。
「うつ病」です。
新しい職場に就くに当たって、うつ病を誰に、どのように明かすかは、実は大きなテーマなんです。
僕も、悩みましたよ。
よくお世話になる「リワークデイケア」のフォローアップでも、しばしば話題になりました。
でも、実は僕も、仕事が軌道に乗って、周囲にも認知されていく中で、「病気を明かす」ことの重要度は、少しずつ下がっていった。
今は病気など明かさずとも、周囲とやっていけるだけの、自信が付いているのです。
そう、花名ちゃんはまるで、僕自身。
僕と同じことを悩み、僕と同じことに躓き、僕と同じことを乗り越え、僕と同じように成長していった、花名ちゃん。
そう、まさしく「僕」を見ているような作品なんです。
正直、涙なしでは、見られません。
それも、映像を見ている時より、思い出した時の方が危険!
目が、涙まみれになってしまいます…。
本当に、本当にいい作品!
僕にはまさに「クリティカルヒット」した、作品なんです。
こんな素晴らしい作品を紹介してくれた、Cさん、Sさんには、本当に感謝です。
ありがとうございます!!
いつか、聖地巡礼、したいですね…。