引き続き、「歌舞伎所縁名跡散歩(向嶋)」道中です。
kiha-gojusan-hyakusan.hatenablog.com
隅田川に出てきました。
正確には、牛嶋神社の境内です。
明治期に立てられたという灯籠。
とかく暗くなりがちな川面を、赤々と照らしたそうです。
僕は昔、自転車で奈良井川沿いを走ったときの、暗い川のイメージでしたが、当時の重要交通機関である「舟」にとって、この灯りは頼れる目印になったそうですよ。
「蝸牛」をみて、「牛鍋?」「料亭??」を想像した方もいらっしゃいましたが。
幸田露伴の旧宅です。
「蝸牛=カタツムリ」で、幾度となく住まいを変えたことに、因んでいるそうです。
まるで、家をしょって歩いているようだと…。
こちらは「蓮花寺」という寺。
島にようになっている地形に、寺が点在したことから、「寺島」の地名が生まれたと言います。
誰か、「三つ鱗」に気づいた人がいました。
そう、この寺のゆかりは、相州北条氏。
元々は鎌倉時代の執権・北条時賴が建て、当地に移されたそうです。
こういう気づきが、旅を深みのあるものにしますね♪
「大しみち」の道標もありました。
「左大しみち」は、なんと西新井大師への道だそうな。
裏には「右大しみち」とあり、当寺を示します。
かつては近くにある「地蔵坂」にあったそうで、この寺への道筋を表していたんですね。
はぁ!全くごもっともで!!
あと一厘を、しっかり書きましょう!
少し北へ上がると、「向島百花園」です。
梅の季節ですね。
チューリップじゃないけど、「紅・白・黄色」♪
まだ寒い道中ですが、福寿草の花が、春はそう遠くないことを教えてくれます。
春の七草、食べました?
「向島百花園」は、もちろん花の名所ですが、著名人の石碑もたくさんあって。
江戸後期の書家・大窪詩仏は、書画も描き、特に竹の画が秀逸だったとか。
月岡芳年も絵師です。
大きな石碑ですね。
他にもたくさんありますが…、ちょっと休憩!
雨も降ったり止んだり。
米の味がストレートに来る、甘酒です。
美味しい!温まる!!
猫ちゃんも、いましたよ♪
さて、園のすぐそばには、白鬚神社があります。
この辺りの地名になっていますね。
町名ではないですが、大体この辺りと、通じます。
底にはこんな井戸が。
普通、大水が出ると、井戸は濁って使えなくなってしまいますが、この井戸は大水でも使え、多くの人々を救ったそうです。
かつては狛犬を寄進し、今はそれにペットボトルの水を寄進し…
さて、白髭橋のたもとには、このビルがあります!
リバーサイド隅田。
大林組の建物ですが、かつては「小松島八州園」があったそう。
資料によると、複合遊園施設だったそうで、賑わった時期もあったのでしょう。
ちなみに八州は、「関八州」が見える、だったかな?
僕もこんな記事を。
kiha-gojusan-hyakusan.hatenablog.jp
3年弱、勤めましたからね~
僕にとっても、思い出のある界隈です。
さらに鐘ヶ淵方面を進むと、こんなスポットが。
日活の撮影所があったそうです。
関東大震災で失われるまで、700本以上の映画を撮ったとか。
看板を見ると、結構大きい建物だったんですね。
隅田神社は、前行ったことがありましたが、これは気がつかなかった!
水神様なので、「阿吽」が「亀」なのです。
木母寺も行ったことがあるけど、閉園時間で入れなかったんですよね…
今回は入ることが出来ました♪
天下の糸平は、飯田生まれの豪商で、生糸貿易で大成功した人物です。
伊藤博文が書いたそうで、その富を表さんがごとくの、巨像です。
主宰のIさんによると、白い部分は池だったそうで、今はお供えを置く台になってるらしいです。
ちなみに、自分で行ったときは、これが見たかったんです。
三遊塚。
落語の三遊亭一派が立てた塚です。
実は、この塚には対になる塚がありまして。
kiha-gojusan-hyakusan.hatenablog.com
押上のスカイツリーから少し行った場所に、法性寺という寺がありまして。
ここに、柳家一派が「柳塚」を建てているんです。
当時三遊亭は人情話が得意、一方柳家は滑稽話と、人気を二分していました。
三遊派が「三遊塚」を建てたので、柳家一派は対抗して、「柳塚」を建てたそうですよ。
木母寺は「防災団地」近くにありまして。
前編でも出た、榎本武揚像です。
威厳ある像ですね。
大きいですが、道を向いていません。
あとから、道が出来ましたからね~
銅像は南の方角を、見つめているそうです。
Iさんによると、榎本武揚はよく馬を駆って、墨堤を散歩したそうです。
向島を大いに愛した人物なんですね。
さて、旅も終盤。
最後の目的地は、こちら、多門寺。
こんな、負の遺産がありました。
鉄をも溶かす、雨霰の空襲だったんですね。
墨田区では空襲で大きな被害を受け、多数の方が亡くなっていますが、世界的に見ると、日本が被害者だけではないことも、事実です。
人を殺し、その家族に憎しみを生む戦争が、もう起こらないことを祈ります。
さて、こちらは狸塚。
この辺りで悪戯する狸の伝説が残っていて、寺のあちこちに、愛嬌ある狸が登場します。
こちらが、今回の旅のゴールとなりました。
「狸」で、締めですよ♪
主宰のIさんをはじめ、お店のお二人、参加者の皆さんのおかげで、大変楽しく、興味深い旅になりました。
11時半ぐらいに出て、4時近くまでだったかな?
でも、何の苦もなく歩いてしまうほど、楽しい旅でしたよ♪
ありがとうございました~!
えっ?「なんで締めくくりが“狸”なの?」だって??
今度一度、「押上文庫/猫庫」にいらしてみれば、きっとわかると思いますよ♪