あるとき、窓口で在庫を計算すると、大幅に合わない。
1万円以上も、不足でした。
窓口業務も経験を積んでくると、大きな不足は大体心当たりがあるものです。
でも、入局1年目ではそんな余裕もなく。
散々探して、見つからなかったので、他の職員に嫌われている、課長代理の指示で、任意弁償をして帰りました。
翌日。
営業ライクの主任が、次の窓口担当でしたが、この大幅な不足を知り、烈火のごとく怒り!
殴られ、蹴られました。
「そんな大きな不足の出た切手箱で、業務をするのか!!」ってのと、嫌っている課長代理の指示に従ったことが、不満だったそうです。
そうは言っても…
その状況を覆す力は、僕にはなく。
気まずい思いを引きずったまま、しばらく時が過ぎました。
ある時、横浜税関から通知が来ました。
もう一人の、知恵袋の主任宛です。
多く納め過ぎた税金の、還付でした。
当時、外国から来た郵便物に税金が課せられた場合(税付郵便物)、受取人から支払いを受けた税金は、切手箱から収入印紙を出して、調書に貼って納めることになっていました。
あの時、主任は僕の補助に来てくれて、税付郵便物を処理してくれたんですが、収入印紙1,200円貼るところを、なんと12,000円貼ってしまっていたのでした。
差し引き10,800円、ほぼぴったり!
主任、平謝りでしたよ。
普通に許す、僕。
でも、それまで僕には冷たかった主任が、僕にも温かく接してくれるようになったんです。
この事件をきっかけに。
元々、僕以外の誰とでも付き合いがある主任です。
その主任とつながったことで、最悪だった僕の印象も、かなり改善したんです。
確かに殴られもしたし、辛い思いも怖い思いもしたけど、結果的にはこの事件が、僕にこの局での「居場所」を与えてくれたんです。
1年目の新人局員の僕にとっては、とてもとても大きな出来事でした。
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