螺旋を描いて…

螺旋 のごとく続く毎日を綴ります

湯河原町と神奈川県の思い出・12…

あるとき、窓口で在庫を計算すると、大幅に合わない。

1万円以上も、不足でした。

 

窓口業務も経験を積んでくると、大きな不足は大体心当たりがあるものです。

でも、入局1年目ではそんな余裕もなく。

散々探して、見つからなかったので、他の職員に嫌われている、課長代理の指示で、任意弁償をして帰りました。

 

翌日。

営業ライクの主任が、次の窓口担当でしたが、この大幅な不足を知り、烈火のごとく怒り!

殴られ、蹴られました。

「そんな大きな不足の出た切手箱で、業務をするのか!!」ってのと、嫌っている課長代理の指示に従ったことが、不満だったそうです。

 

そうは言っても…

その状況を覆す力は、僕にはなく。

気まずい思いを引きずったまま、しばらく時が過ぎました。

 

ある時、横浜税関から通知が来ました。

もう一人の、知恵袋の主任宛です。

多く納め過ぎた税金の、還付でした。

 

当時、外国から来た郵便物に税金が課せられた場合(税付郵便物)、受取人から支払いを受けた税金は、切手箱から収入印紙を出して、調書に貼って納めることになっていました。

あの時、主任は僕の補助に来てくれて、税付郵便物を処理してくれたんですが、収入印紙1,200円貼るところを、なんと12,000円貼ってしまっていたのでした。

差し引き10,800円、ほぼぴったり!

 

主任、平謝りでしたよ。

普通に許す、僕。

 

でも、それまで僕には冷たかった主任が、僕にも温かく接してくれるようになったんです。

この事件をきっかけに。

 

元々、僕以外の誰とでも付き合いがある主任です。

その主任とつながったことで、最悪だった僕の印象も、かなり改善したんです。

確かに殴られもしたし、辛い思いも怖い思いもしたけど、結果的にはこの事件が、僕にこの局での「居場所」を与えてくれたんです。

 

1年目の新人局員の僕にとっては、とてもとても大きな出来事でした。

 

 

次の思い出は、こちら

kiha-gojusan-hyakusan.hatenablog.com

 

前の思い出は、こちら

kiha-gojusan-hyakusan.hatenablog.com