螺旋を描いて…

螺旋 のごとく続く毎日を綴ります

HIF…

会社の仕事が、切れ目の頃…

家では、こんな仕事が。

 

「確定申告」

僕は別に、源泉以外の控除はないので、父の分です。

医療費は、家族で合算すればいいのでね(申告した人の控除になりますが)。

 

父は年金があり、配当もあるので、確定申告が必要です。

医療費も、家族で合算すると、相当な額になりますしね。

 

確定申告と言えば、「e-Tax」です。

www.e-tax.nta.go.jp

 

昔は手書きの手計算だったそうですから、サイトに情報を入力していくだけで、計算までしてくれるのは、ありがたいです。

 

でも、結構クセがあるんですよね。

 

例えば、父としては、「途中経過を“見える形式で”保存したい」んですが、出来ないんです。

一時保存は出来ますが、拡張子は「.data」という特殊?なもので、一般のアプリでは内容を確認出来ません。

e-Taxのサイトを開いて、専用のページから読ませないと、保存した内容を内容を確認出来ないんです。

 

ちょっとしたことですが、父としては「非常に怖い」ことらしくて。

打ったデータがちゃんと残っているか、心配になるんだそうです。

 

保存したつもりのデータが、実は保存されてなかったり、どこに行ったかわからなくなって、結局打ち直した経験が多々あるそうで、トラウマになっているそう。

 

かつて、初心者向けのパソコンインストラクターを経験してますが、多分、高齢からパソコンを始めた方だと、共通に持っている恐怖感だと思います。

そろばん、電卓と違って、パソコンは「得体の知れないもの」というイメージがあるそうでね。

 

そういう意味では、最後の書類が、PDF(Portable Document Format)で自動保存されますが、ダイアログが出ないで、「ダウンロード」フォルダに勝手に保存されるので、どこに入ったのか、僕でもわかりにくいです。

気を利かせたんでしょうが、どうなんでしょうね?

 

まぁ、いろいろ事情は、あるんだと思います。

でも、ユーザーが一般者、しかも多くが高齢者であるわけで。

想定ユーザーの心理が、あまり反映されてないように感じました。

 

PC(Personal computer)やIT(Information Technology)に不案内なユーザーは、そんなことがあると、途端に怖くなって、入力が億劫になります。

むしろ、恐怖感を感じるのは、本当の所だと思います。

 

でも、かつての手計算では、面倒さは半端じゃなく。

どうしても、e-Taxで入力しようとすると、高齢者とe-Taxを「橋渡し」する人が必要になります。

高齢者がやりたいこと、入力したいことを聞き、システムが受け入れられるように解釈して、代理で入力する人です。

 

言わば「HIF」、「Human InterFace」ですね。

多くは息子・娘だったり、時には孫だったりが、担うことになるんですが、実は非常に重要な立ち位置で。

こういう、ユーザーとシステムとの仲立ちをする人材がいるかどうかで、システムの成否は大きく変わってくると思うんですよ。

人生で今まで、パソコンとかスマホとかに馴染みがなかった高齢者に、ITを広めようとするなら、是非必要な人材と思います。

 

実は会社でも、システムを入れる場合などは、同じだったりします。

システムの多くは、データベース。

一般ユーザーは、データ入力と検索ぐらいが出来れば、快適に使えますが、それだけではシステムは上手く稼働しません。

 

入退社や異動などによる、ユーザー管理も必要ですし、自社に合ったシステムにカスタマイズしようと思えば、導入時からシステムの設計に関わり、ユーザーの要望を受ける窓口になり、初期データも、システムに入れられる形で、用意する必要があります。

そして運用後は、データの保守や、追加要望のとりまとめ、不具合の状況把握・ベンダーが理解出来る形での報告、動作テストの仲立ちぐらいまで行える人材が、「利用者側」に必要なんです。

 

昔でいう、「システムアドミニストレータ」ですね。

利用者側の、システム管理者です。

 

情報システム部(情シス)が担ってもいいんですが、専門は社内インフラですから、営業とか経理、総務など、各部署の事情、要望には、それほど詳しくありません。

情シスに任せっぱなしだと、結局使いにくいシステムになってしまうことは、多々あります。

やはり、直接サービスを受ける部署に、こういう人材がいた方が、より使いやすいシステムが出来上がり、運営もスムーズにいきます。

 

一般ユーザーとしても、同じ部署に相談出来る人がいた方が、何かと要望を伝えやすいです。

むしろ、情シスやベンダーの出番かどうかを判断が出来る人を置いて、情報を集約し、中継させた方がいいわけです。

 

一方、ベンダーはあくまで、仕組みを提供するのが役割なので、個々のデータまでは立ち入らないことが多いです。

正直、客となる会社の事情なんて、分かりませんからね。

なので、データを用意、管理するのは、利用者側になる場合が多いです。

 

システムを作れなくたっていいけれど、データを適切に扱える人材は必要ですが、これも特殊技能になり。一般の社員にいきなり任せるのは、荷が重いです。

そういう、システムにある程度詳しく、広い知識を持つ人材が、利用者側にいれば、ベンダーとしても円滑に、システム導入を進められるわけです。

 

そう、ユーザーとベンダー、お互いにとって、「話がわかる人」。

こういう人がいるかどうかで、システムが上手く導入されるか、定着するかが決まってくると思うんですよね。

 

専門家を育てるのも大事ですが、その仲立ちが出来る人材も、非常に重要だと思いますよ。

 

e-Taxは、確かに手計算よりも格段に使いやすい、いいシステムだと思いますが、想定される利用者の多くが高齢者だとすると、やはり敷居は高いと思います。

そういう意味では、高齢者が気軽に相談出来る範囲で、そうやってある程度ITを理解する人材がいれば、高齢者も安心して、システムの利用者になってくれると思いますよ。

 

実は、学校に通う若者とかに、「税の勉強」と称して、e-Taxを使わせてみると、意外と波及効果があるんじゃないかなって、思いました。