人生、「結果がすべて」と言います。
結果が良ければ結果オーライでもいいし、いくら頑張ったって、結果が出なければ、ダメなわけです。
こんな記事も、書きました。
kiha-gojusan-hyakusan.hatenablog.com
でもね…
長い人生、むしろ結果にこだわらない方が、上手くいく場面があります。
その一つが、「うつになった時」
僕も、うつ(双極性障害)になりました。
8年以上!
少なくとも…
うつの状態にもいろいろありますが、多くは、
心が疲弊して、前に進めない
自信が崩れて、適切な判断が出来ない
過度な悲観主義や自責感、無力感
ってな状態ですから、こんな時に結果を求めて尻を叩いても、無駄なわけです。
誰も、求めてないでしょ?
家族も、友人も、休職を認めた会社も。
「休め」って言うでしょ?
中には某課長ったらご丁寧に…
「会社はクビになんかしないんだからさ!」
休職して療養する社員が、最も聞きたい言葉だと思います。
不安だらけ、ですもんね。
第一の、希望だと思います。
逆も…
…まぁ、こんな例もありますけどね。。。
僕はリワークデイケアに通って、大きく開眼して今に至りますが、入所者によっては「卒業のスケジュールが決まってる」人がいるんですよね。
企業的にはスケジュール管理上、アリなんでしょうけど…、
「それまでに、治れ!?」
ちょっと、かわいそうでしたね。
話を戻しましょうか。
心が疲弊したうつ病ですけど、多くの場合、体の方が先に回復します。
そうすると、何が起こるのか。
「元気なのに、心が付いてかない」
もどかしい状況に、なるわけです。
体は元気になったのに、じっとしていて休めなどと「何もしないことを強いられる」ことは、かえって苦痛。
こうなると、特に真面目な人がやりたくなるのが、
「苦行・荒行」
要は辛い苦しいことをたくさんやって、自信を得たいのかな?
苦しんで自分をいじめて、あるいはやりたいことよりやるべき(と思われる)ことを並べ立てて…
自分で、自分の尻を叩いてしまうんです。
結果を求めて。
僕もやったし、効果はないとは言わないけど…
仮に達成できても、結局自分で、ハードルを上げちゃうんですよね…
欲がでて。
結果的に「終わりなき闘い」に陥ると、自信を得る前に、挫折の可能性高し。
挫折→落ち込み→焦り→…は、出来たら避けたいシナリオ、スパイラルです。
そう、こういう「螺旋を描いて…」は、いけない。
だから、この時期は本来、やってて楽しいことをやるのが、より適切だと思う。
楽しく、でも無理はせず。
楽しくがモットーなら、無理はしないわけです。
ゲーム極めたっていいし、観戦や美術館、博物館巡りとか。
旅行だって、いいでしょう。
気ままな旅でも、目的ある旅でも。
僕の療養期間も、そんな感じでした。
そりゃあ、遊んでる後ろめたさも、あったけどね。
ちょっと、おいといて♪
無理せずに活動するのが、目的なんです。
あとはむしろ、今まで興味はあったけど、できなかったことや、今までとはちょっと違う分野に挑戦することは、とてもいいことだと思います。
結果は、求められていないのだから。
僕の場合は資格試験とか、水泳とか。
リワークデイケアとかも、そうですね。
コミュニケーションの、訓練になりました。
やってみて面白ければ、先へ進めばいいし、合わなければやめちゃえばいい。
上手く行けば、自分の新たな面や能力、考え方に気づけるし、たとえ挫折したって、勉強したことは残る。
どの部分が自分に合わなかったのかが、わかるだけでも十分。
それだって、やってみなけりゃ、わからないことです。
勉強したいけど、資格試験の荷が重ければ、勉強だけして試験は受けない手だってある。
そう、「過程主義」でいいわけです。
ここまで書いてきて…
まんま、「学生さん」ですね。
そう、うつの療養は「学生に戻ること」。
結果を追ってばかりの人生は、疲れてしまう。
長い人生、時にはこんな期間があっても、いいと思うんです。
学生さんのように、結果にとらわれない時期が!
過程にこだわれる時期が!
僕がうつで会社を辞めたのが、32歳と4ヶ月。
一度再就職してポシャり、リワークデイケアにも出会って、今の会社に入ったのが、39歳と10ヶ月でした。
この7年半。
「再就職」という“結果”を、両親も医者も、あまり早急に求めなかった。
そりゃあ時には小言ぐらいは言われたけど、決定的に追い込まれることは、ありませんでした。
それでいて、ほっとかれたわけでは、なく。
この環境、接し方には、感謝です。
恵まれていたと思います。
おかげで、僕のペースで、回復できました。
そう、「過程に思いっきりこだわれる」時期があってこそ、「結果にこだわる」ことが出来るんですよ。
今は学生時代でも、結果を求められる時代。
もちろん、テストでは及第点を取らなければいけないんですが、結果を追うことしか知らないと、ややもすれば、ただの貼り合わせの人生になってしまう。
いいように、取り繕った。
面白味も、何もありません。
仕事では結果のために、全力を尽くしても、私生活では過程を大切にする。
この当たり前のことが、今はなかなかできにくくなってるのかな?
僕はうつ病になって、郵便局を退職して、仮に今の職に就いてるとしても、給与や年金などでは、相当な不利になりました。
でもそんなことより、それまでの生活ではとても経験できなかったことを、多数経験できたと思うんです。
だから、うつ病になったことは、いろいろ変化をもたらしたけど、決して悪いだけのことではなかった。
今、僕はそう評価しているのです。
そう、ある意味では「人間性を取り戻した、7年半」!
それぐらいの変化が、僕にはあったんですよ!