今日は、ツアー旅行。
この橋を渡ると、あの世!?
川は、三途の川とされています。
恐山、到着です。
恐山とは、カルデラ湖の宇曽利山湖と、火山と外輪山の総称で、アイヌ語の「窪地(ウショロ)」が訛ったものです。
だから、恐れることはありません。
むしろ、慈しみに溢れる場所なのです。
ここでは、当ツアー特別に、通常非公開の地蔵堂に入れ、本尊の地蔵菩薩像を間近で拝むことが出来ました。
本尊は開山の円仁の手になるもので、1200年も前のもの。
脇には江戸時代の著名な僧・円空が彫った観音菩薩像がありました。
鼻がない十体のお地蔵様や、千体仏もここにあります。
千体仏は地元の宝積寺にも、千体地蔵があったのを思い出しました。
さて、この後は地獄めぐり。
雨風が強いですが、より地獄らしさを、感じるかな?
恐山はカルデラの中にあるため、硫黄が吹き出し、奇景を呈しているので、ここをあの世に見立てて、多くの方が死者の供養に訪れます。
賽の河原では、たくさんの石の山があります。
ここで石を積むのは、早くに亡くなった子供たち。
子供たちは罪を背負っています。
「親より先に死んだ」という。
成仏するには、自らの背丈以上に、石を積まなければなりません。
しかし、一生懸命積んでも、夕方には鬼がやってきて、石山を崩してしまう。
なかなか成仏できないのです。
そこで、彼らのために、少しでも石を積もうと。
促され、僕も積みました。
辺りには、無数の風車が刺してあります。
死んだ子供たちの、おもちゃになるように、と。
そう言えば、イタコさんの口寄せの話も、有名ですね。
死者の仲立ちをする女性です。
今はなり手が少なく、限られた時期しかいませんが、かつてはテント村ができるほどだったそう。
死者の言葉を聞くために、暑い日も雨の日も並んで、ようやく聞いた死者の無念。
聞いた親族は翌年、ちなむ品を奉納するそうですよ。
野球が好きな子だったら、バットやグラブとか。
未婚のまま亡くなった若者には、お嫁さん(お婿さん)の人形に名前まで付けて持ち寄り、せめてあの世で添い遂げよ、と。
そう、ここは死者を想い、慈しみ、思いを遂げさせ、そして供養する場所。
それが、生きている者への慰めにもなることは、皆さんお気づきの通りです。
境内には、幾つかの地獄があります。
一方、こちらは極楽の象徴・宇曽利山湖。
ph3.5ぐらいの、かなりの酸性ですが、ウグイの仲間が住むそうです。
エラに、特殊な中和細胞を持つそうで、世界中で最も強い酸性湖に住む魚だそうです。
地蔵様の見守る中…
イソツツジ茂る小径を通ると…
6つの世界(天・人間・修羅・畜生・餓鬼・地獄)を守護する、大きな六地蔵の所へ出て、旅は終わります。
ここまで、地獄めぐりだけで、約1時間近くかかります。
通常のツアーだと、大抵ここまで。
もちろん、特別拝観もできません(通常は祈祷申込者のみ)。
しかしこのツアー、ここで何と、2時間も時間をとってありまして!
もちろん御朱印もいただけますが、普通のツアーでは絶望的な、ここへ入れる!!
薬師の湯。
温泉なんです。
もちろん、硫黄泉!!
境内には4つの温泉があり、効能が違います。
薬師の湯は、もちろん、眼病です♪
中を撮るわけにはいきませんが、湯船にはたっぷりの乳白色!
実は父は、乳白色の湯が大好き♪
かつては乳白色温泉専門のサイトから、旅行先を決めたほど。
いいお湯でしたね~♪
少しは親孝行、できたかな?
それこそ、極楽の湯をいただいて、恐山を後にしました。
死というものは、本人にはもちろんですが、残された者にも、辛い思いが残ります。
死者との交流、供養を通して、残された者に癒やしと慈しみを与える場所。
それがきっと、この恐山なんだろうなと、思いました。