螺旋を描いて…

螺旋 のごとく続く毎日を綴ります

筑後国の思い出…

筑前国から、南。

筑後川を越えると、筑州、筑後国です。

もっとも、筑後川は暴れ川で、氾濫、流域変化などが絶えず、飛び地が数多くあるそう。

筑後川が明確な両国の境には、なっていないそうです。

今は市町村合併も相次いで、自治体的にもまたがっている例が、あるそうですよ。

だいたいですが、小郡市久留米市から南、ですかね。

 

筑後と言えば、昔、柳川に行ったことがありました。

写真が残っていないんですが、水路のある、しっとりとした街だった記憶があります。

 

今回、こちらへ。

大牟田市です。

 

大牟田駅は、JRと西鉄が発着します。

西鉄大牟田駅では、レンタサイクルの貸し出しがありますよ♪
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訪れたのは、こちら。

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宮原坑(みやのはら)。

三池炭鉱の施設跡です。

 

三井三池炭鉱は、明治期の日本の近代化、工業化を担った施設として、その存在意義は大きく、いくつか残る施設に三池港を加えて、国内19番目の世界遺産に登録されました。

 

採掘拠点としては、昭和6年には閉坑しています。

しかし、「坑内の水を汲み上げる」という目的のために、結構最近まで稼働していたそうです。

そのため、施設が比較的そのまま、現在まで残されています。
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こんなゲージに、人や石炭、道具やくみ上げた水などを、乗せたそうです。
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これが、巻上機!

大きい!!
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これは、ブレーキシュー。

ケヤキの木だそうですよ!
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 炭函という車両に乗せて、運んだそうです。
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ゲージから引き出すためには、ゲージと地上で、レールの位置を揃えなければなりません。

後どれくらい巻き上げればいいか、止めるタイミングなどを、信号でやりとりしたそうです。

技術が要る仕事だったそうですよ!

 

こんな記念品を、求めました。

実際に宮原坑で産出した、石炭!
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完全に操業停止にする直前に、石炭を集めて、貯めておいたそうです。

でも、あとわずか!だそうですよ。

 

こちらは、ジャー坊という大牟田市のキャラクター。

大蛇山から、蛇の化身のイメージだそうです。
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これは、無料でいただきました。

コーヒーです。

 

やっぱり、世界遺産になった誇りでしょうか、係員さんの説明は熱心で、情熱にあふれていましたね。

ありがとうございました!

 

さて、掘った石炭はどうしたかというと、国内外に輸送しました。

こんな専用線が、あったそうですよ。
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三池炭鉱専用鉄道です。

大牟田市にはこのほかにも、三池炭鉱の採掘施設があり、それらをつなぐように伸びていたそうです。

 

実は電化線で、電気機関車も使われました。

これは… トイレ!
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でも、宮原抗からは下が見えないので、本物に見えますね。

 

さて、降ろした石炭は、かつては島原の口之津港や、熊本の三角港まで小型船で輸送してから、大型船に積み替えていたそうですが、「やっぱり三池に港が必要だよね」と、三池港が造られました。

こんな感じ!
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よく見ると、鳥のような形をしてるでしょ。

ハミングバード、ハチドリを模しているそうです。

 

これは防波堤ならぬ、防砂堤だそうです。
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当時は1万トンの船が出入りできるように、この幅が決められました。

当時の方が細長い船だったので、これで十分だったようです。

今はこの奥に新しい埠頭があり、3万トンの船が発着できるそうです。
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さて、この開口部には、有明海ならではの仕掛けがあります。
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閘門(こうもん)と言います。

実は水面下にも大きな扉があり、開閉します。

何故こんなものが要るかというと、有明海の干満の差は、5メートルもあるから。

満潮の時は大型船が入れても、干潮で海水が引くと、着底してしまいます。

 

この扉は、陸地側を向いた、観音開きの扉になっています。

干潮時は陸地から海方向に力が働きますから、その力を利用して、扉が閉まる仕掛けになっています。

これにより港を締めきり、水位を保つわけです。

満潮時は陸地方向の力ですから、海水に押されて扉が開くわけです。

上手く出来てるでしょ!

こういう技術もさることながら、日本の近代化、工業化に大きく貢献した施設として、世界文化遺産にふさわしいわけです。

 

さて、ちょっと北に行きます。

久留米駅を出ると、こんなものがあります。

巨大な、鉱山用車両のタイヤだそうです。
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久留米市は、実はゴムの街。

かのブリヂストンは、ここが創業の地です。

 

もう一つ、久留米市で有名なのは、これ。
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とんこつラーメンは、博多や長浜ではなく、実は久留米が発祥です。

発祥は「南京千両」という店で、ある日、店主が母に火加減を任せて外出したら、母は炊きすぎて、スープは真っ白に!

帰ってきた店主はびっくりするものも、一口すすってみて、「美味い!!」

骨の髄が溶け出して、独特なコクが生まれたのが、とんこつラーメンの始まりだそうです。

 

久留米ラーメンは博多に比べると、スープは濃いめの店が多いです。

でも、中にはスッキリ系も。

ただ、匂いはキツいかもしれません。

九州にいた僕は、慣れちゃいましたけどね♪

 

こちらは先ほどの「来福軒」

匂いはしますが、スープはスッキリ系で、あんまり脂っこくない。

でも、コクがある、美味しいスープですよ♪
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博多ラーメンほど、麺が細くないのも特徴。

これはこれで、もっちり感が味わえて、なかなかいいですよ♪
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ごちそうさまでした~!

地域としては、福岡県の3分の1程度ですが、いろんな産業の歴史があり、興味深い旅が出来ましたよ♪

 

次は、63・豊後国です

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前の国は、こちら

61・対馬国

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