大阪版の「き」は、
「義理と褌(は欠かされぬ)」です。
義理…。
「義理の娘」とか、血縁関係にない姻族のことも言いますが、
ここでは「世の道理」、あるいは「社会生活上、あるいは立場上、やらなければならないこと」ってことになるでしょう。
褌(ふんどし)が、男子には欠かされぬように、義理を欠いてはならない、って意味になります。
社会慣習では、冠婚葬祭や、会社の行事、地域のお祭り、人によっては組合の会合なんかもありますね。
地域生活的には、ゴミ当番とか、校区での通学見守り、なんてのもあります。
面倒なこともあるし、若いと(あるいは逆に地位があると)、やることが多かったり、時間を割かれたり。
時には遠くへ行く必要があったり、出費がかさむこともしばしば。
僕も、法事のために嫌な車を運転して、親戚宅まで行くことが何度かありました。
葬式では寝ずの線香番が係だったり。
(当時は若くて失業中で、完全な夜型人間だったので、平気でしたが)
でも、これらの行為をこなすことで、暗黙の上で、人のつながりが再確認されるわけで。
線香番は実は、結構評価されたようですよ。
他の人は、やらなかったから。
逆に、義理を欠くと言うことは、全ての親戚付き合いから身を引くぐらいの、重大なことになったりもします。
まぁ、生きてくためには、楽しいことばかりやってるわけには、いかないわけですね。